〈投資塾ゆう氏〉が推奨するeMAXIS Slim米国株式(以下S&P500)の【-5%ルール投資法】ですが、我が家ではS&P500ではなくeMAXIS Slim 全世界株式(以下オルカン)に投資しており、S&P500基準の-5%のシグナルをどうとらえたらよいか悩んでいました。
氏によると、S&P500以外の投資信託にもS&P500基準のシグナルが使えるとのことでしたが、オルカンに投資しつつS&P500の基準価額をシグナルに利用するのは少し違和感がありました。
一方で、オルカン基準でー5%投資法を実行しようとすると
S&P500ほど値動きがないので、いつまでもシグナルが点灯することがないのでは?
といった懸念がありました。
そこでオルカンの基準価額で-5%投資法を実施するとどうなるのかを過去の基準値を元にシミュレートしてみましたので、結果を共有します。
結論から言うとオルカン基準でもー5%投資法を実践することでいい感じにリスクを抑えた投資が可能でした。
オルカン 基準価格と前週比騰落率
まずはオルカン基準価格でー5%のシグナルは本当に点灯するのか?を検証するために実際にオルカンの過去のデータを使って前週比騰落率が-5%のシグナル点灯回数を調べてみました。
その結果オルカンが始まった2018年11月から2024年7月までの5年8か月の間、-5%以上の下落は6回、そのうち2回はー10%以上の下落、1回はー15%以上の下落でした。また1年あたり約1.05回シグナル点灯していました。
まとめるとシグナル点灯回数は以下の通りです。
騰落率 | シグナル点灯数 |
-5% | 3回 |
-10% | 1回 |
-15% | 1回 |
S&P500 基準価格と前週比騰落率
次にオルカンと同じ期間のS&P500基準での-5%のシグナル点灯回数を調べてみました。
シグナル点灯回数は以下の通りです。1年あたり約1.41回のシグナル点灯です。
騰落率 | シグナル点灯数 |
-5% | 6回 |
-10% | 1回 |
-15% | 1回 |
比較するとこんな感じです。
騰落率 | シグナル点灯数 オルカン | シグナル点灯数 S&P500 |
ー5% | 3回 | 6回 |
ー10% | 1回 | 1回 |
ー15% | 1回 | 1回 |
年平均 | 1.05回 | 1.41回 |
ー5%ルール投資法をオルカン基準で実施すると?
以上の結果からオルカン基準ではS&P500基準と比較すると‐5%のシグナル点灯回数が75%ほどであることが分かりました。
オルカンを選んでいる方はS&P500よりもローリスク・ローリターン志向の方が多いかと思いますので、点灯率75%は程よくリスクを下げられているのではないでしょうか。
一方で、もう少しリスクを取ってオルカンで押し目買いをしたいという人向けに、シグナル点灯値をオルカン基準価額で-4%にした場合の点灯回数を調べてみました。
騰落率 | シグナル点灯数 |
-4% | 11回 |
-10% | 1回 |
-15% | 1回 |
過去5年8か月で-4%以上下落した回数は11回もあり、年に約1.94回シグナル点灯することになります。これではS&Pよりも保守的な運用を目指しているはずが、逆により積極的な押し目買いをすることになってしまい本末転倒ですね。
S&P500と同程度の頻度にするには?
オルカン基準価額で‐5%投資法を適用する場合、シグナル点灯値が‐5%ではあまり点灯せず、逆に‐4%では点灯しすぎてしまいます。オルカン基準を-4.8%にした場合、ちょうどS&P500の場合と同程度の点灯回数となりました。
騰落率 | シグナル点灯数 |
-4.8% | 6回 |
-10% | 1回 |
-15% | 1回 |
オルカン基準でー4.8%投資法という中途半端な数値を使ってまでS&P500と同程度のシグナル点灯数にするくらいなら、はじめからS&P500のシグナルでいいじゃん!ってなりますよね。。
オルカン vs S&P500 騰落率比較
最後に気になったのでオルカンとS&P500の前週比騰落率がどれほど近似しているのかきになったので、表にしてみました。結果は以下の通りです。
ご覧の通り、騰落率の動きはほぼ同じです。
オルカンの6割が米国株式なのであたりまえっちゃあたりまえの結果なのですが、あらためてグラフにしてみると、ここまで一緒になるのかと驚きました。
ここまで騰落率の動き方が同じならゆう氏の言う通りS&P500基準でオルカンを買っても問題なさそうですね。
最後に
オルカンを運用していてー5%ルール投資法を適用する場合、リスクを控えたい人はオルカン基準のー5%ルール投資法、ある程度リスクを許容できる方はS&P500基準のー5%ルール投資法を実践するのがよさそうです。